RPAとは? 導入シーン・効果・ポイントなど基礎知識を解説!

昨今、業務効率化や生産性向上に効果的な手段としてRPAに注目が集まっています。しかし、RPAとは何なのか、導入によってどのような効果が期待されるのかを十分に知らないという方も多いのでは。
そこで、この記事では、RPAの基本的な知識を効果や導入のポイントとともにご紹介します。

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入門編

目次

    サクッとRPAを理解したい方のために
    RPAの概要を資料にまとめました

     

    RPAとはロボットによる業務自動化のこと

    RPA(Robotic Process Automation)とは、ロボットによる業務の自動化です。PC上で人間が仕事を行う流れを記録し自動で再現することで、RPAは時間のかかる作業から人間を解放してくれます。
    RPAで自動化できる業務は、機械的・定型的な入力やデータ照合などの単純作業です。その実用性や業務効率化に対する効果の大きさから近年急速に注目を集めており、各業界で活用する企業が増加しています。

    RPAで自動化できる業務

    RPAで自動化できる業務を、より具体的な例で確認してみましょう。職種別に見たRPAの活用法には、以下のようなものがあります。

    営業

    • 受け取った注文書や証書のスキャンデータを分類させる
    • 経費に関する情報を月末に経費精算システムに転記させる

    経理

    • 請求書など送付すべき書類を指定フォルダから自動送信させる
    • 経費精算システムに入力されたデータの妥当性をチェックさせる

    マーケティング

    • 対象商品のネットクチコミを自動で収集させる
    • SNSやブログ・Webサイトへの投稿を自動で行わせる

    RPAと業務には相性があり、一般的に以下のような特徴がある業務はRPAと相性が良いとされています。

    • 繰り返し行われる
    • 一定のルールに従って行われる
    • プロセスがマニュアル化されている
    • 実行に複数人のリソースが必要になる
    • ケアレスミスや見落としを起こしやすい
    • RPAの3つのクラス

      RPAはその機能や出来る作業の難易度に応じて3つのクラスに分けられます。
      クラス1は定型作業の自動化。データ入力や分類などの単純作業を代行させられますが、例外事項が発生すれば人間が対処する必要があります。
      クラス2は一部非定形作業の自動化。AIと連携して、問い合わせ対応や、アンケート結果の分析など明確にルールが定まっていない作業も代行できるようになります。
      クラス3は高度な自動化。情報を整理・分析するだけでなく、それまでに学習した内容を元にルール作りを行ったり、意思決定を下したりできるようになります。
      現時点のRPAはクラス1に留まっていますが、技術が進歩するにつれてクラス3まで進化し、いずれ人間の業務を幅広く代行できるようになる日も来るでしょう。

      【コラム】RDAとは

      RPAと似た言葉にRDA(Robotic Desktop Automation)というものがあるのをご存知でしょうか。RDAはその名の通りD(デスクトップ)の自動化を指します。RDAは、単体のPCの中で完結してそのPCの持ち主の仕事を代行しますが、一般的にはRDAも含めてロボットによる自動化技術を総称してRPAと呼ばれています。

      RPAの導入シーン・効果

      RPAの概要がわかったら、次はその導入シーンについても確認しておきましょう。併せて導入後のRPAに期待される効果もご紹介します。

      さまざまな業界で活用されるRPA

      RPAが活用される業界には、際限がありません。RPAはPC上で行えるものであればどのような業務でも自動化できるため、全ての業界に活用の余地があるといえるでしょう。
      以下、さまざまな業界における活用例を手短にご紹介します。

      流通業界

      • 取引先によって異なるレイアウトに合わせて伝票を発行させる
      • 商品の売り上げデータや発注データをExcel上で一覧にし、管理させる

      金融業界

      • 証券会社から送られてくる有価証券の内容を管理ツールに登録させる
      • コンプライアンス管理に使う顧客の情報を、Web上から収集させる

      情報通信業界

      • クラウドで提供していたサービスの提供廃止作業を遂行させる
      • 派遣契約のデータを管理し、契約更新前にリマインドを送信させる

      運送業界

      • ドライバーの日報作成・アップロードを音声入力で代行させる
      • 運行計画書と実際の配達状況を照会させる

      RPAに期待される3つの効果

      RPAに期待される効果は主に3つあります。どの効果を期待してRPAを導入するのか、自社の業務と照らし合わせて考えてみてください。

      (1)生産性向上

      人間が行っていた仕事を一手に代行してくれるため、社員を1人雇用する以上の仕事の処理が期待できます。単純作業から解放された人間はより付加価値の高い仕事に従事できるため、さらに生産性は向上します。

      (2)品質の担保

      RPAにケアレスミスや見落としといった概念はありません。そのため、人間による作業では完全には防げない数字の間違いや入力漏れといったミスを防ぎ、アウトプットの品質を高いレベルで担保することができます。

      (3)コストの削減

      組織の原資を圧迫するコストの筆頭はやはり人件費です。一般的にRPAのコストは人件費/人の1/10~1/3と言われており、大きくコストの削減に寄与するケースもあります。ロボットが作業を全て自動で行うため、教育コストもかかりません。

      RPA導入で効果を出すためのポイント

      前述のような効果を発揮させるためにRPAの導入ではどのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。 ここでは導入のプロセスとポイントを手短にご紹介します。

      RPAの導入プロセス

      RPAの導入は以下の5ステップで行われます。

      STEP.1 全体の計画を立てる STEP.2 社内の推進体制を整える STEP.3 効果のシミュレーションを行う STEP.4 小さな規模で試してみる STEP.5 実際に導入する

      全体の計画を立て、体制を整えたうえで効果の検証を繰り返し、実際に導入するまでの道筋を確実に固めるのがRPA導入のポイントです。

      RPA導入で効果を出すためのポイント

      RPAの導入で期待通りの効果を出すために意識すべきポイントを3つご紹介します。

      現場メンバー主導の体制を整える

      現場メンバーが主体となって導入プロジェクトに取り組むことは、RPA導入において必須の要素といっても過言ではありません。RPAを実際に使うのは現場の社員であり、恩恵を最初に受けるのも現場の社員です。「無駄な仕事が増えるのではないか」や「仕事が奪われ雇用削減につながるのではないか」といった誤解を受けることで現場の協力が得られない例もあるため、プロジェクトの最初の段階から現場の社員の参加を促し、RPA導入の意義を理解してもらいましょう。

      自動化ニーズの強い業務を洗い出す

      RPA導入の計画を立てる段階で、その時点で人間が行っている業務を一覧にして、どの業務を自動化すべきなのか、しっかりとした検討を行いましょう。そもそも相性が合わない業務にRPAを導入しても、満足のいく結果は期待できません。RPAに適した業務は実務担当者が最も把握しているため、やはり現場メンバーと一体になってプロジェクトを進めることがRPA導入の成功には不可欠です。

      導入後の運用ルールを定めておく

      RPAの導入を進める際には、ほかに応用したい業務が出た場合はどうするか、エラーが起きたらどう対処するか、などの運用ルールを定めておきましょう。
      RPA導入が成功し、効果の実感が得られると「○○の業務にもRPAが効果的なのではないか」といった声が現場から出てくることが多いです。その際、運用ルールが決まっていれば、スムーズに連携が行え、RPA導入の効果をさらに波及させていくことができます。また、どれだけ検証を重ねても導入後に思わぬエラーが生じることはあります。その場合もマニュアルやヘルプ先などを決めておくことでトラブルを防ぐことができます。

      RPAの導入が進む背景

      野村総合研究所の調査によると、RPAの市場は加速度的に拡大しており、2023年には326.8億円の市場となることが予測されています。これだけRPAが注目されているのには、どのような理由があるのでしょうか。最後にRPA導入が進む背景をご紹介します。

      少子高齢化社会の到来で慢性的な人手不足に

      RPA導入が進む理由の1つ目は、日本の少子高齢化です。
      労働力の主体となる日本の生産年齢人口(15~64歳)は減少の一途をたどっており、内閣府の統計によると、2016年の人数は7,656万人でした。生産年齢人口はさらに少なくなることが予測されており、2030年には6,875万人、2050年には5,275万人となるというデータが示されています。

      高齢化の推移と将来推計

      ※出典:内閣府「平成29年版高齢社会白書(全体版)│1高齢化の現状と将来像」

      このような労働力の減少に対応するためには、マンパワーに頼らずに生産性を向上させることが不可欠です。そのため、人間の作業を代行し作業効率を高めてくれるRPAに注目が集まっています。

      現場でのICT活用が今後を握るカギに

      ICT(情報通信技術)の活用が企業の成功の要となっていることも、RPAに注目が集まるきっかけとなりました。AI、RPAといったICT技術は今後インターネットやメールのように仕事をするうえで当たり前のものになっていくと予測されています。

      このような労働力の減少に対応するためには、マンパワーに頼らずに生産性を向上させることが不可欠です。そのため、人間の作業を代行し作業効率を高めてくれるRPAに注目が集まっています。

      経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」

      ※出典:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」

      働き方改革の推進で生産性向上が課題に

      2016年に働き方改革実現会議が発足され、労働生産性の低い日本の働き方を変えようという動きが盛んになりました。実際日本の労働生産性は他国に比べて低く、OECDデータベースにおける労働生産性の国際比較によると、2016年の時間当たりの労働生産性はOECD(経済協力開発機構)加盟の35カ国中20位でした。

      長時間労働の是正も盛んになっている今、限られた時間で売り上げるには、本来人間がやるべきでない単純作業などを機械に任せ、業務内容をより高付加価値なものにシフトしていくことが重要です。そのため、単純作業に向いているRPAは多くの人の注目を集めています。

      まとめ

      RPAの定義や効果から、導入で効果を上げるためのポイント、必要性が高まった背景まで、RPAの基礎知識を一通りご紹介しました。RPAは正しく導入すれば生産性や品質の向上に大きく貢献します。この記事を皮切りに理解を深め、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
      またここまでRPAについてご説明してきましたが、「自社でも適用できるのか?」「具体的にどういった形で導入を進めればいいのか?」がいまいち分からないという方もいらっしゃるかと思います。

      実際こうした導入フローは会社ごとによって異なります。誤った形で導入を進めてしまうと、結局目的としている業務改善までたどり着けず、プロジェクトが途中で終わってしまうなんてことにもなりかねません。

      下記から弊社のコンサルタントに、まずは導入フローに関して無料相談してみてはいかがでしょうか?

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