RPAでできること
RPAでできることは、主に3つあります。RPAで効率化・自動化するには、RPAの得意な業務に導入することが重要です。
単純作業・定型業務
RPAで自動的にできることは、データ入力や転記などの単純作業、マニュアル化された定型業務です。手順やルールなど、RPAでできることをロボットに記憶させると、RPAはマニュアル通りに自動的に作業をします。一方で、RPAは事前に設定した通りにしか動かないので、イレギュラー対応には向いていません。
カスタマーサポート
電話やメール対応といった、カスタマーサポート業務も、RPAにできることとして挙げられます。例えば、メール受信時に定型文のメールを自動的に送付したり、対応履歴をシステムに転記することや、電話対応した際の音声の記録をサーバーからダウンロードすることもRPAでできることです。企業のバックオフィス業務やコールセンターなどに、RPAを導入できます。
データの収集・分析・検証
定型業務が得意なRPAは、データ収集や分析、検証にも効果的です。RPAで自動的にできることは、例えば、企業サイトから所在地や事業内容など、情報を取得することです。営業やマーケティング部門などでは、WEBサイトから企業情報を収集してメルマガリストに加えたり、テレアポリストとして活用ができるので、RPA導入で自動化することで業務効率を向上させることができるでしょう。
RPAでできないこと
RPAでできないことは、主に3つあります。これらの対象業務はRPAで自動的に作業できないので、人の手で行う必要があります。
自ら考えること
RPAでできることは、同じことの繰り返しなので、自ら考えて判断することはできません。例えば、エクセルへ転記する際に、項目が1行ずれた場合、人であれば正しい場所に入力できますが、RPAは1行ずれたまま作業を続けてしまう点がデメリットです。イレギュラーが発生しそうな場合は、事前に設定しておくとミスを予防できます。
ルール変更・複雑な処理
ルール変更や複雑な処理が必要である場合にも、RPAは対応できません。RPAでできることは、単純な定型業務なので、柔軟な対応や判断力が必要な業務には向かないからです。ルールが変わるごとに、再設定やメンテナンスをする必要がある点が、RPAのデメリットとも言えます。
手書き文字・画像の認識
RPAは手書き文字や画像認識ができません。手書き文字や画像の認識は人が行い、その前後の業務をRPAで自動化するなど、RPAでできること、できないことを区別して、業務プロセスの見直しを行う必要があります。または、RPAとOCR(光学的文字認識)を連携して、デジタルデータへ変換出来る事で、自動的に読み込みが可能です。
具体例を紹介!RPAツールでできること
RPAでできることは、主に「単純作業・定型業務」「カスタマーサポート」「データの収集・分析・検証」の3つです。これらの具体例を紹介します。
経費精算
交通費などの経費精算では、領収書と申請金額が合致しているか確認が必要です。経費精算においてRPAでできることは、確認作業を自動化する、不備の際は再提出の依頼を自動化する、問題がなければ最終承認者へ自動的に連絡するなどです。
見積書・請求書の作成
見積書の作成においてRPAでできることは、フォーマットに、製品や価格などの情報を転記する作業です。請求書の作成でも、集計や転記ができるほか、所定のフォルダに保存したり、作成後にメール添付したりする作業も、RPAでできることです。
メールに関する操作
RPAで自動的にできることは、メールの送受信のほか、添付ファイルの保存、PDFへ変換、印刷など、メールに関する多くの操作です。特にメール送信は、請求書や定期レポートなど、毎月決まった時期に、大量に送信する場合に活躍するでしょう。
電話履歴の管理
電話履歴の管理の自動化も、RPAで効率化できることです。コールセンターのほか、一般企業の電話対応でも、受発電や顧客への対応を記録したり、顧客情報を照会したりと、幅広い活用事例があります。近年はRPAとAIを連携して、電話対応を自動化する開発も進んでいます。
顧客情報のリストアップ
RPAで効果的にできることには、営業に欠かせない顧客情報のリストアップも挙げられます。データベースやウェブサイトから、必要な情報を収集し、所定のフォーマットに転記することもRPAで自動化できます。他システムとRPAを連携し、顧客情報を元に見積書や提案書、プレゼン資料を作成することも可能です。
サービス・製品の口コミ収集
自社・他社問わず、サービスや製品の口コミの収集も、RPAでできることです。収集した口コミからキーワードを抽出し、エクセルにまとめることも、RPAで全て自動化できます。集めたデータを分析し、商品開発や宣伝に役立てることも可能です。
まとめ
RPAでできることは、事前に設定した作業を繰り返すことです。そのため、RPAは単純な定型業務、カスタマーサポート、データの収集・分析・検証などが向いている業務です。一方、判断を伴う、複雑な作業、手書き文字・画像の認識は不得意です。
RPAの導入手順は、まずRPAで出来ること、出来ないことを理解することが重要です。その上で、RPAの適用業務における業務プロセスを、自動化できる業務・できない業務に分類して選定することで、RPAを有効活用できることでしょう。業務選定時には、RPAで自動化するために業務フローを変更するなど、RPAの使い方を工夫しましょう。
業務によっては、RPAにOCRやAIを組み合わせることで、RPAで自動的に作業する範囲を広げることが可能です。ツールを使い分けて自動化業務を増やすなど、RPAでできることを最大限利用して、効率化を目指しましょう。