RPAツールのメリット・デメリットとは?導入時のポイントや注意点

総務省が掲げる働き方改革や、業務効率化を推進している会社が増え、RPAを導入したり検討する会社が増えました。

RPAは単調な作業や入力業務等を人間に代わり、作業してくれるロボットです。UiPathや国内であればwinactor等があります。デスクトップ型、オンプレミスと言われるサーバー型、WEBを経由して利用するクラウド型があります。

RPAの導入によって作業時間を大幅に短縮できる点や、定例業務を自動化できるメリットがあるため、業務効率化にも一役買うでしょう。

多くのメリットや魅力をもつRPAの使用方法は、定例業務をシステムに入力し、ロボットを動かすというもの。

2021年版RPAメリット、デメリットをお伝えします。またRPA導入時のポイントや注意点について事例も含めて解説するので、ぜひご参考ください。

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目次

    RPAのメリット

    早速RPAを導入することで得られるメリットについて紹介します。RPAで業務を自動化させることで、作業時間の短縮や人の手による入力間違いを減らすことができます。

    事例も含めて紹介するので、ぜひ活用シーンを想定しながらメリットについて確認してみてください。

    反復業務の自動化と作業ミスの予防

    RPAツールの導入によって反復業務の自動化、手入力のミスを防ぐメリットができます。これらを事前に防ぐことで結果的に無駄や漏れも大幅に減らすことができます。

    身近な事例を挙げてみましょう。
    Excelに記載されている数字を管理システムへ転記しなければならないとします。しかしExcelのセルを一行見間違えて入力してしまうと、間違ったデータが管理システムに登録されてしまいます。

    どれだけ注意して業務を進めても、人の手による作業であればミスは起こり得るでしょう。
    業務に追われて疲れていたり、反復作業が続くとどうしてもミスしやすいのが現実です。

    しかしRPAツールを導入することで、このようなミスや間違いをなくすことができます。RPAはロボットであるが故にミスを起こすことはあり得ません。

    また疲れることもないため、作業スピードが落ちたりする心配もなくなります。

    人件費(コスト)の削減

    RPAツールの導入によって、人件費も削減できるというメリットがあります。

    事例として月額5万円のRPAを使用したとしましょう。月に20日間、1日8時間稼働させたとしても時給はたったの312円です。
    人を一人雇用する場合、このような金額で雇うことは不可能です。

    また1人採用するまでに、募集媒体費や採用コストもかかります。採用できたとしても、人材育成にもコストがかかるでしょう。
    その上、すぐに辞めてしまうリスクも伴ないます。

    RPAツールであればこのような心配も必要なく、作業にブレもありません。単純作業はRPAツールへ切り替え新規事業等、時間を費やすべき業務に専念できる環境を構築しましょう。

    既存業務の見直しと業務改善

    RPAツールはロボットを作成し人が設定した通りに目的に沿って正確に作業を進めることができます。また、業務改善や業務効率化にRPAツールは大きな効果を発揮することが可能です。

    事例として今まで手作業で進めていた入力業務や請求書の作成や発行、資料の転記というような業務を見直すことができます。これらをRPAツールに代替することで、作業時間を大幅にカットすることができます。

    単純作業である入力業務も、作業ボリュームがあればとてつもない時間がかかってしまいます。これらにかけていた時間を削減することで、コア業務に専念することができます。

    もし専門資格をもつ人材が、単純作業ばかりに追われていたら、本来出すべき力を発揮していないことになります。せっかく専門知識を発揮できる部署に配置しても、それでは意味がありません。働く社員も、やりがいを見失う可能性だってあります。

    既存業務を見直し、業務一つ一つを整理してみましょう。無駄と言える業務が隠れているかもしれません。

    既存業務についても、整理できたり見直せるのはRPAツールのメリットであると言えます。

    業務の効率化による生産性の向上

    RPAツールを導入することで、生産性を向上させることができます。
    RPAロボットは、人に代わり設定したシナリオ通りに自動で処理を進めます。よって作業スピードが向上します。

    人は処理能力を超えた業務量であるが故にミスしたり、体調により生産性に変化がでてしまい、ヒューマンエラーを起こしかねません。

    RPAツールであればロボットであるが故に体調の変化によってヒューマンエラーを起こす心配もありません。RPAツールは24時間365日稼働させたい時に動くので、状況に応じて処理を進めることが可能です。

    また2020、2021年のコロナ過によってリモートワークが増えたこともあり、より生産性を意識する企業が増えました。

    RPAの処理速度は手作業よりもはるかに早いです。RPAツールであれば短時間で終えられるので生産性もより向上するでしょう。

    人員・人手不足の解消

    RPAツールの導入目的に人員・人手不足を解消したいという声を多数聞きます。RPAツールの導入で日々の定例業務をRPAツールに代替することができます。

    今まで手作業で行ってきたさまざまな入力業務等を自動化することで、そこに費やす時間を削減することができます。

    少ない人員で作業している場合、RPAツールに代替することで人手不足も解消することができるでしょう。人手不足で困っていても人を雇用するよりRPAツールに代替したほうがコストも抑えることができ、業務負担をスムーズに軽減させることができます。

    RPAのデメリット

    RPAツールの導入でさまざまなメリットを感じられることが理解いただけたと思います。一見、メリットばかりが光るRPAツールですが、注意しておきたいデメリットもあります。

    「こんなはずではなかった」という事態にならないためにも事例も含めてチェックしてみてください。

    システム障害による業務停止リスク

    RPAツールの導入後にシステム障害やエラーが発生した場合、業務がストップしてしまうデメリットがあります。自動化しているRPAツールで何かしらエラーが発生してしまうと、RPAツールに代替していた業務はすべて停止してしまいます。

    RPAツールはさまざまなシステムやアプリケーションを連携しながら作業を進めます。
    しかしそれらにエラーが発生してしまうとRPAツールの処理がうまくいかなかったり誤作動を引き起こす要因になります。予期せぬトラブルが起こった時を事前に想定しておくことで被害を最小限に抑えることができます。

    例えばRPAツールを提供しているサービス会社のサポート体制を確認したり、エラーを引き起こした際のフロー作成、日々のメンテナンス等で業務停止のリスクを軽減できます。

    常日頃からトラブル対策を万全にして被害を最小限に抑えられるように備えましょう。

    情報漏えいのリスク

    クラウドサーバーがネットワークに繋がり、そこにインストールされたRPA製品であれば不正ログインやアクセスによりデータが流出してしまう可能性があります。
    他にもRPAはログイン情報が記憶される仕組みであるため、そこから情報漏洩してしまうデメリットもあります。

    不正アクセスによる情報漏洩やサイバー攻撃を受けないようにセキュリティ対策は万全にしましょう。

    方法としてIDやパスワードの暗号化、アップデートを欠かさないこと、アクセス権限の限定等が挙げられます。最近のRPAだとパスワードを閲覧できない設定も可能なようです。パスワードを公開しないことで、情報漏洩の危険性を回避できます。

    また常日頃からセキュリティ対策や情報漏洩によるリスクについて社内でも注意喚起し意識を高めておく必要があります。

    誤った作業を繰り返すおそれ

    RPAロボットの開発で作業フローを間違えて入力したり、誤った指示で登録してしまうとRPAツールは間違った作業を繰り返すおそれがあります。

    RPAはAIとは異なり学習することで作業を独自に改善していくことはできません。間違えた指示や作業フローをRPAツールが間違いだと気付くことはないので作成時には注意が必要です。

    ロボット作成は作業フローを入念に確認し、間違いがないか確認すべきです。
    また作業開始前にテストを数回行ったり、作動状況を確認して問題がないか確認できてからRPAを実行させましょう。

    他にもシステムやアプリケーションのアップデートは最新を保ったり、常日頃からRPAに問題がないか確認する人員を配置することで事態を防ぐことができます。

    RPAツールでは改善できない業務内容とは

    業務改善で大きな力を発揮すると言われるRPAツールですが、導入に向いていない業務やRPAの導入は避けた方がいい業務が存在します。

    RPAにも得意、不得意があります。RPAツールが不得意とする分野で導入しても、業務改善はおろか人が対応したほうがスムーズな場合もあります。

    RPAはパターン化、ルール化された業務を得意とします。そのためイレギュラーなことが頻発する業務や状況に応じて判断したり、意思決定の必要があるものは不得意とされます。

    入力業務を例に挙げてみましょう。
    新しい情報が追加されたら、追加された情報を別のシステムへ入力しなければいけないとします。特にイレギュラーなこともなく、パターン化されていればRPAで問題なく自動化することができます。

    しかし、状況によって文字を入力する箇所が異なったり、判断が必要になる場合があったとします。人が対応する場合、臨機応変に判断しながら進めることができるでしょう。

    ただ、RPAは判断しながら入力を進めることはできません。決められたルールに沿って反復作業を繰り返すので、状況によって入力箇所の判断が必要になると作業を進めることができないデメリットがあります。

    RPAを導入する際は、得意不得意を理解してなぜ導入するのか、業務改善に繋がるのかという点も見極めてから導入するようにしましょう。

    導入前に確認することでメリットになる

    RPAツールを導入する前に確認しておきたい点がいくつかあります。それらを理解しておくことでRPAツールをスムーズに導入することができます。

    一つずつ確認していきましょう。

    課題や目的を明確にする

    RPAツールの導入前になぜRPAを必要としているのか、どのような課題を解決したいのか明確にしておく必要があります。

    チームや部署のメンバーで現状何に困っているのか、見直したい制度はあるか意見を出し合い改善部分を洗い出しておきましょう。内容によってはRPAでなく、業務フローや制度を見直すことで解決できるかもしれません。
    RPAツールを必要とする業務でRPAを導入するようにしましょう。

    他にもRPAツールの導入によって対応者が限定され属人化してしまう可能性があります。従業員1人ですべてを管理するような体制ではなく、複数名で運用・管理できる体制を整えましょう。
    最悪の場合、RPAに何か支障がおきても対応者が不在という事態に陥ってしまいます。

    RPAに限ったことではなく、どのような業務でも属人化してしまうと、業務が停滞したり社外にも迷惑をかけてしまう結果を招きかねません。

    一部の人しか状況把握できないような労働環境を作り出さないように、社内整備していく必要があります。このような環境を作り出すことで社内コミュニケーションも活発になり、現状の課題についてもより話しやすくなるでしょう。

    RPAツールが得意とする業務範囲を理解する

    何度もお伝えしていますが、RPAツールが得意とする業務範囲を理解しましょう。RPAはルール化しやすく、反復作業を繰り返す作業で高い効果を発揮します。

    逆にイレギュラーなことが度々起こるような作業では本来の力を発揮できません。

    ルール化しやすい定例業務、要するに判断を必要とせず、作業の流れに沿って単純にデータを入力していくような業務でRPAツールを導入しましょう。

    単純作業を繰り返し行うような作業だと、効率よく作業を進めることができます。

    改善する業務に優先順位をつける

    RPAツールで改善したい業務の優先順位をつけましょう。
    というのもRPAが得意とする全ての業務で導入を始めてもうまくいかない可能性が高いからです。

    全ての業務で一斉に自動化を開始すると、事前準備に時間がかかりすぎてしまいます。既存システムと連携がとれずエラーが生じる可能性もあります。他業務にも支障が生じる可能性だってあるでしょう。

    改善したい業務に優先順位をつけ少しずつRPAツールを導入していくことをおすすめします。
    もしかしたらRPAを導入し、テストを繰り返す中で想定していなかった問題がでてきてしまうかもしれません。地道に一つずつ確認しながら導入を進めるべきです。

    RPAツールを活用することで、どのような効果を得ることができ、改善できたのかモデルケースを作り、少しずつ対象となる業務を広げていくのがいいでしょう。

    導入支援などサポートがあるか確認する

    長期的にRPAツールを活用し、RPAに代替できる業務を増やしていくことになります。そのためサポート体制が充実しているサービス会社を選ぶ必要があります。

    サポート体制も提供会社によってさまざまです。
    RPA契約前にトライアル支援サービスの有無、問い合わせフォームやサポート専用ページがあるか、担当者と連絡はつきやすいか等を確認しておきましょう。

    またRPAについてどこまで支援してくれるのかも確認しておくべきです。例えばシナリオ作成やロボット作成も支援してくれるのか、それともアドバイスだけなのかではサポート体制も大きく異なります。

    担当者についてもRPAに詳しいのはもちろんのこと、何かあった時に親身に相談にのってくれる相手を選ぶようにしましょう。もし、何かしらの理由で途中から他社に乗り換える結果になってしまうと多大なコストがかかります。

    慎重に見極めるようにしましょう。

    導入する際の注意点

    RPAを導入する際に注意したい点がいくつかあります。社内体制を整えたり、部分的な作業から導入することでよりスムーズに運用をスタートさせることができます。

    促進担当などの社内体制を整える

    RPA導入前に社内体制を万全にしておく必要があります。導入することが確定しても社内の上層部だけで盛り上がっていては、失敗してしまいます。RPAツールの導入により社内が混乱することのないように導入計画や活用計画を練り、社内体制を整えておきましょう。

    なぜRPAの導入が必要なのか、RPAに切り替えることで仕事をRPAに奪われてしまうのではないか、という不安を抱えてしまう社員がでてくるかもしれません。
    RPAの導入があたかもデメリットであるかのように感じないためにも、導入前の社内体制は万全に準備しておくべきです。

    RPAは業務改善に向けた一つの手段であり、コア業務に時間を費やしてほしいことをしっかりと説明すべきです。また必要であればRPAに関する説明会や勉強会を開き、RPA導入プロジェクトが成功し、社内が盛り上がっていくような工夫も必要でしょう。

    またRPAツールのシナリオやロボットを作成するIT部門と実際に使用する現場で連携がとれていないとうまく運用できません。現場の意見を尊重しながら、一つずつ業務フローを確認し、進めていくようにしましょう。
    もしRPAを内製化し社内で完結させてしまう場合、より一層連携を取らなければRPAの導入は失敗に終わります。

    異なる部署や部門でRPAをそれぞれが導入し、社内共有や連携がうまくとれなかったというケースもあります。RPAだけに言える話ではないですが、新しいツールを導入する際は、社内で共有し合える管理体制を構築することが重要です。

    まずは部分的な業務から自動化する

    いきなりボリュームのある作業から進めるのではなく、比較的スモールスタート、小さい業務からRPAの導入を検討しましょう。
    ボリュームのある作業や多くの業務でRPAを一斉導入しようと試みても事前準備の難易度が上がってしまい、最悪の場合はRPAの導入失敗に終わります。

    誰が見ても納得できるような成果を生み出し、ノウハウを蓄積する必要があるでしょう。
    要するに社内で次々とRPAの導入を検討できるようなモデルケースを作る必要があります。

    もし導入に失敗してしまうと「いつの間にか使用しなくなった」「限られた業務にしか活かせなかった」というような残念な結果を招きかねません。

    RPAの導入を成功させるためにも、効果が出やすいスモールスタートで始めましょう。

    まとめ

    RPAツールのメリット、デメリットについてお伝えしました。業務改善で大きな力を発揮すると言われているRPAですが、得意とする作業と不得意な作業があります。

    RPAはロボットであるため、独自に判断したり臨機応変に作業を進めることはできません。

    しかしルール化され反復作業を繰り返すような作業であれば、ミスを起こすこともなくスピーディーに作業を進めることができます。

    導入時はRPAが得意とする分野で導入するようにしましょう。また導入時のポイントや注意点に気をつけて導入しましょう。

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