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RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で、業務を自動化するためのツールやソフトウェアを指します。RPAツールはこれまでヒトの手で行ってきた業務を効率化するものです。事務業務の負担や人件費を軽減したいと考える企業によって検討・導入されています。
RPAツールができるのは設定されたプロセスを、設定された手順通りに処理することです。そのため、RPAツールが軽減するのはルーティンワークが中心で、ヒトが考えて判断をする業務や手順が毎回異なる業務には適していません。
RPAツールのベンダーとしてはNTTやソフトバンクなどのIT・通信系企業や、富士通をはじめとするAI・ロボット開発を手がけるメーカーが代表的です。具体的なRPAツールとして、NTTのWinActorは日本企業に広く受け入れられています。
また、アメリカに本社を置くUiPath社は、教育機関や小規模事業者、個人に対しオープンソース版を無料で提供しています。従業員数が250名以内の企業であればフリーでRPAツールを試用できますので、RPAツールに興味はあるものの費用負担に抵抗がある方は活用してみてもいいでしょう。
RPAツールの機能には段階があり、導入する際にはどのレベルのツールが最適なのかを検討する必要があります。RPAをクラス1とし、数字が大きくなるほどより高機能なツールに分類されます。
RPAは3段階のクラスのなかで最もベーシックなものです。RPAは決められたシナリオによる処理に特化しているツールですので、ルーティンワークの自動化に効果を発揮します。基本的にAIや学習機能は搭載されていないため、処理の工程が変わる際には手動でセッティングをしなおさなくてはなりません。
EPAはEnhanced Process Automationの略で、RPAの機能を強力にしたツールです。RPAと異なるのはAIとの連携が可能になり、処理業務の幅が広がります。大量のデータ処理や非定型業務にも対応できるため、用途に合わせてプログラミングすることで、RPAツールを導入した効果を感じることができるでしょう。
CAとはCognitive Automationの略で、認知による自動化を意味します。認知とはつまり、搭載されているAIに学習機能があり、使用を重ねる過程で処理能力が向上していくということです。CAは導入後に精度を増していくRPAだと言い換えられるでしょう。
CAクラスのRPAツールは自然言語学習・機械学習によりビッグデータ分析や個別最適処理といった業務に担うことができ、学習能力によって処理ルールの作成や意思決定も可能です。
このように、機能によって異なるRPAツールは、導入によって得られる効果や解決できる課題も異なります。また、価格の面でもクラスが上がるとコストも大きくなるため、なぜRPAツールを導入するのか、どのように活用するのかをしっかり検討する必要があります。
ではRPAツールを導入する際、どのようなポイントに注目すればいいのでしょうか。比較・検討する際のポイントを5つ紹介します。
RPAツールを導入することで、どの業務を自動化するのか、そのためにRPAツールは必要なものなのかを検討しましょう。この点が明らかにならなければ、具体的なRPAツールを選定できます。
RPAツールは導入がゴールではなく、日々の仕事に変化をもたらすことを目指すものです。どんなに高性能なツールであっても、社員が使いこなせなければ意味がありません。操作性についても検討が必要ですし、他社事例などを参考にし、社内に浸透させる方法についても考えなくてはなりません。
RPAツールは自社の業務やソフトウェアに合わせて自分たちでロボが作成できる点が魅力です。導入前にRPAツールのシナリオをどこまで設計し、デモできるかを調べておきましょう。
高機能なRPAツールはその分コストがかかるものです。定型業務を効率化するためにどこまでコストをかけられるのか、業務を自動化することによってどのような効果があるのかは、しっかりと検討しなくてはなりません。
いざRPAツールを導入するとなった際、トライアルからスタートできるかは重要なポイントです。RPAツールは月々ランニングコストがかかるものですので、まずは無料版で自社との相性を確かめたいものです。
RPAツールを導入する際、スムーズに運用するために、導入しようとしているRPAツールがどのようなタイプのものなのか確認しておくことが大切です。
デスクトップ型は使用するそれぞれのパソコンに、RPAツールのソフトウェアをダウンロードするものです。特徴としては限られたユーザーでしか使えない分、費用を抑えることができます。デメリットとしてはRPAツールをPCにインストールするため、複数のユーザーが同時に使えず、大量のデータの処理には向いていません。
サーバー型はRPAツールを社内サーバーにインストールするタイプです。データをサーバー上で管理をしながら、RPAツールで業務を効率化できます。RPAツールがサーバー上にあることで、複数のユーザーがそれぞれのパソコンから利用可能です。大量のデータを扱える一方で、コストがかかるというデメリットがあります。
ブラウザ型のRPAツールは、Webブラウザにひもづくものです。Google Chromeの拡張ツールなどを通じて、Web検索やデータ引用を自動化できます。なかには無料配布されている事例もあり、在宅ワークでも気軽に利用できる点が魅力である一方で、機能が限定的というデメリットがあります。
汎用型は幅広い業務を自動化できるRPAツールです。カスタマイズ方法次第で、社内の様々な業務を効率化できるでしょう。ExcelのVBAとの連携やOCRとの連動などをプログラミングできれば、PRAツールの処理領域を拡大できます。設定作業にスキルと時間が必要になりますが、運用方法次第で重宝するでしょう。
特化型は人事や経理、顧客対応など、特定分野の業務に特化したRPAツールを指します。各種業務に用途を絞ることで、一連の業務を処理することが可能です。使い方が簡単でユーザーが運用しやすいというメリットがある一方で、部署に1つずつRPAツールを導入していくと、大きな費用負担になることを避けられません。
このように、一言でRPAといっても様々なタイプのツールがあります。RPA製品の性能や評判、導入事例、シェアなどは各種比較サイトにて、比較表・一覧表にまとめられています。導入時には様々な情報を参考に検討することが大切です。
その際、社内システムとの適合確認は欠かせません。数多くのPRAツールから自社の課題解決に役立つものを見つけたとしても、そのRPAツールが社内システムと適合していなければ、導入した意味がなくなってしまいます。導入を検討する際には、まずそのRPAツールが社内システムに適合するかを確認しましょう。